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H28年 1月の院内勉強会を終えて

新しくできた研修ルームで行われる初の勉強会となりました。
毎年1月は院長が担当され、テーマは「21世紀のペリオを知ってるか?」です。

歯周病は全世界で最も蔓延している感染症とされ、歯周病の原因は何かと昔から議論されてきた歴史があります。最近では、「共生関係の破たん」と言う説が言われているそうです。

細菌と聞くと悪いものだと思いがちですが、私達の体には、1000兆個もの細菌が共生しています。その中には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌と分類され、2:1:7の割合で存在します。日和見菌は善玉菌が優勢の時は善玉菌の味方、悪玉菌優勢の時は悪玉菌の味方をするそうです。

急に歯茎が腫れてしまったと来院される、歯周病の患者さんがよくいらっしゃいますが、疲れて体調が悪くなると免疫力が弱まって、この細菌の共生関係が破たんしたためとに起きるという事も原因の一つだという事が分かりました。

800以上もあるお口の細菌の中で、もっとも病原性が高いとされている歯周病菌がP.g菌ですが、この菌は健康な方のお口の中からも検出されるそうです。P.g菌の中にもいくつか種類があり、8mm以上の歯周ポケットから検出される90%以上がⅡ型と呼ばれるP.g菌だそうです。

マウスを使った実験で、病原性の低いP.g菌を注入すると少し弱るが、直ぐに元気になったそうです。しかし、このⅡ型のP.g菌を注入したところ翌日に死亡したとのことでした。

むし歯菌は、1歳半~2歳半の約1年間で定着すると言われていますが、歯周病菌の場合は、18歳~20歳の約2年間だそうです。20歳で検査をすると、この悪質な病原菌がいるかどうかわかります。当院でも、歯周病の細菌検査を行っています。保険がきかないため高額ではありますが、20歳でわかれば予防することが出来るので、私もやってみたいと思いました。

こういった病原性の高い菌に感染しなければ一番良いですが、細菌は目に見えないのでなかなか難しいですよね。一度感染したら、完全に駆逐するという事も残念ながら不可能です。上手く付き合っていくしかありません。なので、そのためのサポートや今後どうなるのかを予測して治療の提案を行う事が今後大事になって来るという事が分かりました。

院長お疲れ様でした。 歯科衛生士 赤堀結