トピックス・新着情報

トップページ>トピックス・新着情報>平成30年度 歯周病・糖尿病講演会に参加して

平成30年度 歯周病・糖尿病講演会に参加して

昨日、静岡県歯科医師会館で行われた歯周病・糖尿病講演会に歯科衛生士の瀬見と参加しました。

前半は、静岡県糖尿病協会理事でもあり、有隣厚生会富士病院の糖尿病内科部長である佐藤賢先生による「糖尿病性腎症重症化予防プログラムについて」でした。

慢性腎臓病(CKD)の大半は糖尿病からなる人が多いのだそうです。糖尿病性腎炎では透析を始めてから生きられるのは平均して5.7年とのこと。

CKDも症状に応じてステージが分かれていて、第2期では尿中アルブミンが少し出てくるくらいで3期になると蛋白が出てきて2期であれば1期に戻ることもあるが3期になるとそれ以上の改善はできないそうです。そのため、糖尿病の方はHbA1cを測るとともに、3か月に1度尿中アルブミンを測ることも大切なのだそう。

そのほか、治療法やお薬についても勉強になりました。

後半は日本大学歯学部歯科保存学第Ⅲ講座 准教授の吉沼直人先生による「歯周病の薬物療法」でした。

もし歯周病で28本の歯に5mm以上のポケットがあれば、手のひら一枚分の潰瘍面があるのだそうです。歯ぐきの中は見えないので危機感は感じにくいかもしれませんが、皮膚で手のひら1枚分だと思うと実感しやすいかもしれないですね。

歯周病は糖尿病の第6の合併症と言われており、相関関係があることがわかっています。今回は歯周病を治療すると糖尿病が本当によくなるのか。どの程度の歯周病を治療すると、血糖値が改善するのか、どのような治療法が糖尿病を改善するのかについてのエビデンスの紹介とその解説がありました。

歯科用抗生物質を投与して歯周病を改善した症例や歯槽骨の欠損に対して歯周組織再生医薬品を用いた症例など興味深かったです。

歯科衛生士 赤堀